新築なのに外壁にひび割れ。事業者の責任で補修してもらえる?
事業者とひび割れの箇所や本数、幅、長さなどを確認しながら、そのひび割れが乾燥収縮によるものか、構造上のものかなど原因を判断し、適切に補修してもらいましょう。
補修が請求できる期間
住宅品質確保促進法(品確法)により、事業者は、新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵(かし)について、10年間補修する義務を負っています。今回、このひび割れが構造耐力に影響を及ぼすもの又は雨漏りが生じるものであれば、10年間補修する義務を負いますが、そうでない場合は、補修を請求できる期間は契約書で定めた期間になります。
調査・補修の依頼先は、住宅の引渡しを受けた事業者
まずは、住宅の引渡しを受けた事業者に連絡して、構造耐力に影響を及ぼすものかどうか調査を依頼しましょう。
ひび割れの補修方法
外壁の仕上げ材のモルタルは、セメントと砂を水で混ぜて作るので、乾燥による収縮からひび割れを起こす性質があります。こうしたひび割れで構造耐力に影響を及ぼさないもののうち、一定の幅がある場合は、ひび割れ部分をU字またはV字にカットして溝を作り、この溝にモルタル等を注入して補修することが一般的です。必要に応じて吹き付け塗装をして仕上げます。
幅0.2ミリ程度のひび割れは弾性塗料による吹き付け塗装
幅が0.2ミリ程度にとどまっている浅いひび割れは「ヘアクラック」と呼ばれ、進行性がないことが確認できれば、弾性塗料を用いた吹き付け塗装により補修します。
いずれにしても、ひび割れの補修は原因や劣化の程度に応じた方法で行う必要がありますので、原因を調査し、特定したほうがよいでしょう。
半年〜1年に1回程度、定期的に状況確認を
ひび割れを補修した後は、定期的にその状況を確認する必要があります。再度ひび割れが生じた場合、図面にひび割れの状況を書き込み、その状況を確認し、進行したり増えたりするようなら、建物の構造上の問題や、振動、地盤沈下といった外的要因も考えられます。正確な原因調査のためにも、定期的な経過観察の記録を残しておくようにしましょう。写真も撮っておくとよいでしょう。
調査・補修依頼の前に資料の準備を
不具合の状況やトラブルの経緯がわかる、以下のような資料を事前にできる限り用意しておきましょう。
- 不具合の発生時期や進行状況などがわかる資料や写真など
- 新築時の契約内容がわかる書類など
参考になりましたか?